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2020年09月04日
脆弱性スキャンツールの悪用について
はじめに
今回は現代のサイバー攻撃者による脆弱性スキャンツールの悪用についてご説明します。
脆弱性スキャンツールについて
脆弱性スキャンツールは、企業のセキュリティ強度などを調査する目的で提供されているソフトウェアです。ネットワーク・OS・ミドルウェアなどの脆弱性を調査することが可能になります。
主な脆弱性スキャンツールの種類
- Webアプリケーション脆弱性スキャンツール
Webアプリケーションの脆弱性を検出することを目的としたツール。
不正なHTTPリクエストを送信し、擬似攻撃を行うことで、クロスサイトスクリプティングやSQLインジェクションなどの攻撃に対応しているかを見つけることが可能です。
■代表的なツール:OWASP ZAP、VAddy …など - ネットワーク脆弱性スキャンツール
ネットワーク脆弱性スキャンツールネットワークレイヤの脆弱性を見つけることを目的としたツール。
サーバやネットワーク機器の設定不備やパッチ適用の不備による、バッファオーバーフローなどの脆弱性を見つけることが可能です。
■代表的なツール:InsightVM、Nessus …など
攻撃者は、事前準備として上記に記述した脆弱性スキャンツールを利用してスキャンを行います。
スキャンした結果、もし脆弱性が見つかれば、その種類に応じた攻撃を行う手口が増加しております。
日本におけるスキャン活動は、報告されているだけで年間約1万件も発生しており、今後も増加していくことが予想されます。
NetStableでの検知
NetStableのシグネチャで、外部の攻撃者が悪用したと報告されている脆弱性スキャンツールの通信を検出することが出来ます。
- 2001384 Vulnerability Scan Tool (Nmap Scripting Engine)
- 2001385 Vulnerability Scan Tool (AWS Security Scanner)
- 2001386 Vulnerability Scan Tool (ApiTool)
- 2001387 Vulnerability Scan Tool (ZmEu)
- 2001388 Vulnerability Scan Tool (Zgrab)
- 2001389 Vulnerability Scan Tool (Auto Spider)
- 2000255 Vulnerability Scan Tool (masscan)
- 2001509 Vulnerability Scan Tool (Acunetix)
- 2001510 Vulnerability Scan Tool (Nessus)
- 2001511 Vulnerability Scan Tool (Nikto)
- 2001512 Vulnerability Scan Tool (OpenVAS)
各脆弱性スキャンツールを利用している際の通信を遮断するシグネチャです。
各脆弱性スキャンツールを利用して、脆弱性を悪用される可能性があります。
送信元IPアドレスに心あたりがない場合は、ファイアウォール等のセキュリティ設定にてアクセス制限を行ってください。
まとめ
- 脆弱性スキャンツールは、社内のセキュリティ強度、脆弱性を調査するツール
- 脆弱性スキャンツールを悪用した外部からのスキャン活動が増加している
- 社内で運用しているソフトウェアのバージョンを確認し、アップデートを行う